あの子が嫌いなピーマンを食べられるようになるまでのお話 ③
前回の続きです。
前回の記事もよければご覧ください。
ミートボールの下に隠されたピーマンに気づいて固まるしんちゃん。
ですが私は、今回と前回で明らかに違う状況だということに気づきます。
そう、まだ他のおかずやご飯が残っていること。
前はピーマンだけが最後に残ってしまっていたのですが、今回は発見が早かったので他のご飯たちも健在です。
そこで私はある作戦を試してみました。
それは…
ミートピーマン作戦。
大げさな言い方をしましたが、要は他のものと食べて味を薄められるかなと思ったのです。
私はしんちゃんの大好きなミートボールを、ピーマンと同じくらいの大きさに切り、(ミートボールは味も濃いめだし、ピーマンとの相性もいいのでばっちりです!)しんちゃんの口に運びました。
緊張の一瞬。
作戦が見事に成功!!!!
まだ上手にお箸を使えないしんちゃんに代わり、ミートボールを切ってピーマンとのセットを作ってあげました。
セットになったミートピーマンをゆっくりながら食べ進めるしんちゃん。
その日はなんと完食することが出来たのです!
私は他のお友達にむけて、しんちゃんが頑張ったことを報告しました。
「しんちゃんが苦手なピーマンを頑張って食べたよ!」
「ほんとうだ~!」
「すごいね~!」
クラスのみんなに声をかけてもらい、しんちゃんは照れくさそうに、しかしとても嬉しそうに笑っていました。
幼稚園や保育園の利点の一つは、お友達がいることです。
このように、お友達と励まし、認め合うことで、頑張る意欲がわいてきたり、自信に繋がったりします。
このような関わりが、成長においてすごく背中を押してくれるんです。
しんちゃんもお友達に声をかけてもらえたことで、誇らしげな顔をしていました。
もちろんお迎えの時にお母さんに報告です。
お母さんはピーマンを入れたことに罪悪感が少しあったそうですが、食べられたという事実を聞いてほっとした様子でした。
「しんちゃんの為にも、焦らずゆっくりやっていきましょう。今日食べられたからといって、明日からどんどん食べよう!となると、しんちゃんも嫌になってしまうと思うので。」
お母さんに伝えると「そうですね、気をつけます。」と申し訳なさそうに笑っていました。
その日から、度々ミートボールの下にピーマンが入るようになってきたのですが、ミートピーマン作戦で最後まできちんと食べきるしんちゃん。
ですが、たまにピーマンに気づかず他のおかずを食べきってしまって、涙。
こういうときもあるのでした。
次回、ラストです。
※誰にでもこれが効果をなすわけではありません。あくまで私の体験に基づいた話です。ですが、これで苦手なものが食べられるという子もいると思うので、試してみる価値はあるのかなと思います。
決して無理に食べさせることはしないであげてくださいね~!