④出産したら母になれると思ってました ~安定期突入~
前回の続きです。
長かったつわりも終わり、やっと安定期がやってきました。
束の間の休息、からの転落
6ヶ月を過ぎ、すこしずつお腹の膨らみもわかるくらいに。
食欲はもどりつつあったのですが、今度は赤ちゃんに胃が押し上げられ、あまり量を食べてしまうと吐き気に襲われるようになりました。
ですが、つわりの時のしんどさに比べると、ずいぶんと軽いものです。
体調が落ち着いてくると同時に、私の心にも余裕ができはじめ、散歩に出かけるようになりました。
産婦人科の先生にも、ほどよく動くように言われていたし、何より外の空気を吸うと、少し気持ちが楽になるような気がしたんです。
そのときに近所のお家の方と少しお話ししたり、スーパーの店員さんが私のお腹を見て、「かごもっていってあげる~」と助けてくれたり…
家族以外の人とのこうした少しの関わりが、そのときの私には心地の良いものでした。
そして赤ちゃんもすくすくと大きくなっていました。
まだ控えめにですが、お腹をけっているのがわかるようになってきたんです。
よく聞くと、「ぽこぽこぽこ」と可愛い音が!
お腹の中に本当にいるんだと実感でき、動いた瞬間に動画を撮影して、あとからにやにや見返していました。
ですがまだまだ動きも大人しいので、私自身にはわかるのですが、夫はなかなかわかりにくいようでした。
お腹に耳をつけて聞こうとするのですが、私の胃の消化の音なのか、赤ちゃんの動く音なのか、いまいちわからないそうです。
それがわかるようになるのは、もう少し後の話みたいです。
私の体も心もすこしずつ元気を取り戻し、会話も明るいものが増え、この頃からよく笑えるようになった気がします。
子どもの名前を考えたり、その子にはどんなことをさせたい、これだけは我が家のルールにしたい…ずいぶん気の早い話なんかもしていましたね。
ですが、今思えば少し張り切りすぎていたのかもしれません。
毎日の散歩も、余裕があれば少し距離をのばしてみたり、朝と夕方2回行ってみたり。
しばらく何の問題もなく順調にいっていたのですが、ある朝…
再びめまいを起こしてしまったんです。
もちろん水分は多く取るようにしていたのですが、気温の上昇と運動で汗をかくようになったことで、さらに水分が必要になっていたんです。
前と同じ量では足りなくなり、また再発してしまったんですね。
安定期といえども、常にその体は危険と隣あわせ。
完全に考えが甘い、自分の責任でした。
ですが、前の記憶がよみがえる…
「母親としての自覚が足りない」
また言われるのかな…
でも病院に行くしかない。ふらふらしながら、重い腰をあげました。
次回に続きます。