あの子が嫌いなピーマンを食べられるようになるまでのお話 完
今回でラストになります。
前回の記事もよければご覧ください。
ミートピーマン作戦がうまくいき、ずいぶんとピーマンを食べられるようになってきたしんちゃん。
はじめは私が声をかけないとミートピーマン作戦を忘れてしまうこともあったのですが、次第に自分から一緒に食べるようになっていきました。
お弁当にピーマンが入っているときはこの作戦を繰り返し、経験をつんでいったしんちゃん。
ある日、年少の終わりにさしかかった頃…
お弁当の時間になると突然
「せんせい、みてて!!!」
しんちゃんが大きな声で私に言いました。すると…
なんと、ピーマン単体で見事に平らげたのです!!
「みんな聞いて!しんちゃんがピーマンだけで食べられたよ!!!」
しんちゃんのピーマン事情を知っているクラスのみんなは大歓声!!
「ええ~見せて見せて!」
「すご~い!ほんとだ~!」
誇らしげな顔をしているしんちゃんをクラスのみんなで囲んで、一緒に喜び合いました。
子どもが何かを克服した瞬間に立ち会えて、本当に嬉しかったです。
そして、それをまるで自分のことのように喜ぶ他の子どもたち…
あたたかい…なんとも言えない、とても素敵な時間でした。
お帰りの時間になり、お母さんに報告すると
よくよく聞いていくと、家でもずっとミートピーマン作戦をしていたらしいのです。
これのおかげで自信が付いて、「ピーマンだけで食べてみようかな」となったんだとか。
そして、「明日先生に見せる!」と張り切っていたそうです。
まだ他にも苦手なものはあるけれど、一つ克服できたことはとても大きい一歩だと、とても喜んでらっしゃいました。
後日談になりますが、その後時がたち…
しんちゃんが卒園して二年ほどたったある日、偶然町でお母さんに出会いました。
とっても嬉しい報告を受けたのでした。
この仕事はもちろん大変なこともたくさんあるけれど、子どもたちがいるから頑張れる、と言う言葉は決して大げさではありません。
幼児の成長は本当に著しく、この瞬間に携われる保育士の仕事は本当に素敵です。
そう改めて感じた出来事でした☆
うちの娘も食べられないものが多いので、しんちゃんみたいになってくれるといいなぁ~………