⑦出産したら母になると思ってました ~陣痛始まる~
前回の続きです。
予定日を一週間過ぎた頃、夜に痛みがはしりだしました。
いよいよ陣痛が始まったのです。
出産は放置の始まり
なんだかいつもと違う痛みに、ついにきたかと緊張が走りました。
初めての出産でわからないことだらけ…
不安な私たちは病院に電話することに。
様子を見るように言われた私は、陣痛の痛みの感覚の時間をはかりました。
この感覚がとりあえず10分間隔になるまでは自宅待機だそうです。
その間も痛みは尋常じゃありません。
もちろん眠ることなんて出来ません。夜中中痛みに襲われていました。
朝の5時頃。
ようやく10分間隔になったので、夫に病院に電話するように頼みました。
看護師さんは、「今来てもまだ時間かかりそうだけど…どうしてもつらいならこちらで待ちますか?」と言っていました。
私はとにかく今のこの状況が不安すぎて、とりあえず病院に向かうことにしました。
私の通っていた産婦人科はLDRと言って、陣痛から出産まで同じ部屋で行えるシステムでした。
病院からの事前の説明では、妊婦さんがよりリラックス出来るように、アロマをたいたり、静かな音楽を流したり、テレビの映像を流したりするはずだったのですが…
いや、なんもついてないっっっ!!!!
でも突っ込む元気なんてない私は、とりあえず病院に着いたことで安心していました。
痛みは断続的に続くものの、まだこのときは比較的穏やかな気持ちでしたが、それもすぐに終わります。
そこから数時間……
誰も来ません。
全く。
数時間放置です。
もちろんその間痛みは続いています。むしろ痛くなっています。
ダンナは少し横になると言ったきり、気持ちよさそうに爆睡していました。
(みんなこんなものなの?こんなにほっとかれるものなの?教えてください。)
病院に来さえすれば事態が進むと思っていた私は、いつまで続くかわからないこの状況と、痛みと、孤独感につぶされそうになっていました。
(なんでこんなにつらいのに…誰もみにきてくれないんだろう。こんな早い段階出来て、アホやなって思われてるのかな…)
(なんで私だけがこんなしんどいんやろう。こんなのがずっと続いたら、死んでしまうよ…)
とても気持ちが弱気になって、ぽろぽろと涙が出てきました。
そうすると、やっと看護師さんが、
「どんなかんじですか~?」
と軽い感じで入ってきました。
情緒不安定な私を子どものように慰めて、子宮口のチェックをしてくれましたが…
全然開いてませんでした。
めちゃくちゃ痛いんですが…間隔も短くなってきましたが…!!!
つまりはこの苦しみがまだまだ続くと言うことなのか…
もう絶望でした。
しばらくして夫も起きてくれ、声をかけてくれたり、痛みを和らげるツボを押してくれたりしていたんですが、病院側の放置プレイはまだまだ始まったばかりなのでした。
陣痛が始まってから、ここまででざっと約12時間。
地獄はもう少し続きます。
あとがき
割とコメディに書いていますが、このときの心情としたらものすごく不安でした。
もしかしたらこれが普通なのかもしれません。
でも初めての私はわかりませんし、初めてだからこそ不安も大きいんです。
いつまで続くかもわからないこの痛みとも闘いながら、孤独感にさいなまれていました。
後から分かったのですが、このときは他に出産真っ最中のお母さんがあと2人いたそうで、忙しかったのかもしれません。
では続きは次回です。